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帝京vs都立墨田工


伊藤(帝京)
勝敗は試合終了まで決まらない
注目の伊藤 拓郎が今夏、初登板。都立墨田工を相手に7回参考記録ながら完全試合を達成した。
その内容は三振11、内野ゴロ5、内野フライ3、外野フライ2。
7回はさすがに意識があったのだろう、力のこもったボールを投げていた。試合後の表情も明るく、まずは好スタートを切ったといったところだろう。
この日もストレートは目測ながら常時140㎞/h前後で威力があり、スライダーもキレがあった。また、都立墨田工打線が右打者が多いこともあってか、右打者の外角への制球を課題にしているかのように、ストレートも変化球もそのコースに集めていた。また、体の開きも意識している様子だった。軸足に体重を乗せた後、左腕をサードベースからやや本塁寄りの方向に伸ばし、踏み込む左足も内側から着こうと心がけているように見えた。
伊藤に対峙した都立墨田工打線は初回、2番の白島照久が一瞬、投手強襲になるかというピッチャーゴロを放った。白島は打席の投手寄りに立って変化球を打ったのだが、それが都立墨田工の伊藤対策というわけでもなく、手も足も出ない、いや手も足も出さないまま伊藤に牛耳られてしまった。
都立墨田工の守りでは相手が右打者のときはショートが三遊間の真ん中、セカンドはセカンドベース寄り、左打者のときはセカンドが一二塁間の真ん中、ショートはセカンドベース寄りで構え、外野手のポジションはほとんどのケースでフェンスから3、4m手前の位置。先発には背番号10の右アンダスローの山﨑洵を立て、緩いボールで帝京打線の打ち損じを待つ作戦に出て、3回1失点。4回から継投した変則フォームのエース・清水哲則が捕まり、コールド負けを喫するが、何かやってやろうという気概がうかがえた。それだけに攻撃面でも絞り球を徹底したり、揺さぶりをかけたり、無駄な動きがないバスターで打ったり。チームとして何か仕掛ける姿勢が見たかった。
試合後、クールダウンをする伊藤を、都立墨田工の1人の3年生がベンチの前でしばらくの間、唖然としながら見つめていた。残念ながら、その表情に悔しさは滲んでいなかった。
最初から相手を見上げて負けを覚悟してしまっていては、番狂わせは起こせない。あらゆる可能性を信じて、チャレンジして欲しい。
(文=鷲崎 文彦)
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