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国士舘vs帝京

伊藤(帝京)
帝京まさかのコールド負け
試合開始前、国士舘の選手が「行こうぜ皆で!」とスタンドを巻き込んで声を上げていた一方、帝京の選手は冷静にキャッチボールや素振りを個々にしていた。この冷静さが良くも悪くも帝京らしい。
しかし、試合は14対6の7回コールドで帝京がベスト8を目前に敗退した。
序盤、国士舘はエンドランなど積極的に足でしかけた。帝京自慢の投手陣を相手に箕野監督は「足で崩したかった」と国士舘の得意の攻めをぶつけて先制点に繋げた。これで試合は国士舘のペースに傾いた。
国士舘は4回に帝京の先発山崎 康晃から6番大久保がホームランを放つと、2番手の伊藤 拓郎に4連打を浴びせた。この二人で国士舘戦を考えていた前田監督だが、たまらず荻谷 龍太郎をマウンドへ上げた。しかし制球が定まらず点差を広げた。1年生の渡邊も起用したものの、国士舘の勢いを止めることができなかった。
6回表の国士舘の攻撃が終わった時点で14対1。ここにきてようやく帝京がホームランなど反撃を見せたが、追撃はそこまで。国士舘のペースに捕まった帝京は、抜け出すことができないままだった。
今年の帝京のチームは伊藤 拓郎・山崎 康晃・鈴木 昇太・荻谷 龍太郎の140キロ右腕の4枚看板を中心に、秋季東京都大会で優勝。選抜でベスト8と健闘してきた。全国区のスター選手を抱える帝京が東東京の優勝候補筆頭に上げられるのは例年以上に当然の流れだった。
「よく言えば冷静。しかしなかなか燃えない。」そう言って帝京の前田監督は今年のチームを振り返った。淡白で声をかけてもチームが盛り上がらない。そんな欠点を指摘し続け、春からずっと試行錯誤だったという。上級生同士お互いに遠慮する空気があり、そういう部分がチームの勢いを作ることを邪魔した。「こういうチームもあるのだと、勉強になりました。」と、監督自身どこか手ごたえがないまま終わってしまったようだ。
キャプテンの小林はそんな前田監督の思いを感じてか「監督が思う帝京のキャプテンではなかった」と話した。小林は1年生の秋からベンチ入りをしている。2年生の夏には「ベンチキャプテン」という立場で、キャッチャーだがブルペンには入らずに常にベンチの前から指示を出してベンチを盛り上げてきた。その器量を認められて主将を任された。3年生となった今夏に初めて背番号「2」をつけ、公式戦に初出場した。
「キャプテンになってからもベンチキャプテンのときと同じ事をしてしまった。」と振り返るのは、ミスをした方に共感してしまい責め切れなかったから。ミスを責めてプレッシャーをかけることができず、それがこういう試合にマイナスに働いた。「盛り上げるだけでなく、厳しい言葉も必要だった。嫌われることから逃げたんです。」そのまま言葉を詰まらせた。
一方、昨年甲子園を期待されたチームに比べ実力は下と評価されている国士舘。この勢いはどこからくるのかと聞くと「どこからなんでしょう?不思議ですね。」との答えが返ってきた。しかし「皆で戦えていることは確かです。」と付け加えた。新チームになったときから「心を一つに」と皆が同じ課題に取り組んできた国士舘のチーム力が大躍進の勢いを生んだ。「点差は想像できなかったけど、負ける気がしなかったです」。
これから再出発となる帝京には4枚看板の一角である伊藤や1年生からショートのレギュラーの松本など、まだまだ選手層は厚い。だが、今回の負けの意味を新チームに生かすことができなければ、役者がそろっていてもあっさり負けていく帝京の姿を再び見ることになるかもしれない。
全国区選手を擁しながら帝京が最後まで手に出来なかった勢い。これが夏の大会で何よりも怖い。
(文=高校野球情報.com編集部)
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 国士舘 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 | 8 | 0 | 14 | ||||||||
| 帝京 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 | 6 |
国士舘:川内(翔),遠藤 - 川嶋 帝京:山﨑,伊藤,荻谷,渡邉(隆).伊藤 ― 小林 安尾
本塁打=大久保(国)、伊藤 久保田 岡部(帝)
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